ブログ

ラーニングLABOが開講しました

工場の一部を開放した作陶教室と中国語講座が、3月21日から始まりました。

カルチャーセンター「ラーニングLABO」の立ち上げです。

「ラーニングLABO」は、会社事業の多様化への端緒になればと企画したものですが、加えて美濃焼メーカーとしてのノウハウや社員の特技をいかして、地域貢献ができればと考えています。

チケット制で、都合に合わせて自由に習得できる仕組みにしました。

開講初日は、中国語講座には、中国の歴史に興味のある方や、書道をされている方などが来られました。

IMG_8628a.jpg

講師をしているのは、海外事業部担当の金龍海です。
同じ漢字の国ですが、中国語は発音が難しいから学びたいとの参加者の意見をもとに、ネイティブ発音で、まずは簡単な挨拶からスタートしました。

「桜が散る」を中国語では丁寧な表現で、「櫻花凋謝(イン・フォア・ティアオ・シェー)」というそうです。「謝」は感謝の「謝」です。

散った花に感謝の「謝」を付けるところがステキですよね。

半年から1年くらいで、旅行での会話ができるようになればと思っています。

また、作陶教室では、不肖私、武藤が講師をつとめています。ブログなどで、やきもの全般について書いております。

タタラ(粘土を板状にしたもの)による、小鉢の成形や、紐作りの手捻り、ろくろなど、陶芸のさわりを紹介いたしました。
陶芸は技法が多種で、奥が深いですが、「作りたいもの」、創作の気持ち大切に、指導できたらと思っています。

IMG_8631a.jpg

初めての方には、ろくろで触れる土の感触が新鮮だったようで、ご好評を頂きました。

毎週土曜日に開講しています。ぜひ、覗いてみてください。                           (Muto)

土の話 その2

一般的に採掘した土は、不純物をとり除いて、水簸し精製して練ります。

では、タイル工場など量産向けの土はどのような工程で、タイル工場に来るのでしょうか?

タイル用原料をつくる地元の丸美陶料さんを見学させて頂きました。

一区画400㌧の原料土が入るストックヤードがずらりと並んでいます。白土、赤土などおよそ100種類ほどの原土があります。

ほとんどがこの地方のものですが、新しい優良な資源を求めて、遠くは信楽と東京都新島産もあります。ちょうど、ストックヤードにトラックから原料が降ろされていました。
IMG_8438a.jpg

降ろされていたのは、工場から出た陶器屑を回収し粉砕したリサイクル原料でした。窯業資源にする原土は日本全国であと50年分ほどと言われており、資源の枯渇の改善にこのようなリサイクル原料も原土と同じように並んでいます。
IMG_8450a.jpg
      

    9㌧の原料が入るボールミル

原土やリサイクル原料は、数種類を混ぜ合わせて調合し、セラミックボール、玉石と一緒にボールミルに投入、およそ18時間回されます。
IMG_8452a.jpg

 

ちなみに玉石はフランスの天然石でした。

釉薬調合の場合はセラミックボールだけですが、原土には大きな玉石が相応しいようです。

 

これだけでずいぶん滑らかな粒子ですが、さらにスラリータンクに移されドロドロの泥しょう状まで攪拌されます。

 

IMG_8453a.jpg

タンクは2階建ての屋根から覗くような深さ。上から見下ろすと足がすくむ思いです。

泥しょう状になった原料は、乾燥をかけて顆粒状になります。

乾燥はスプレードライヤーと呼ばれる高さ25㍍ほどの塔の中です。タイルの街の象徴的な建物です。宮崎駿の「ハウルの動く城」を連想しませんか?
IMG_8462a.jpg
    

  この中で泥しょうは噴出され、400~500℃の熱風を吹き付けて乾燥。舞い降りてくる間に顆粒状になります。

顆粒にするには、これくらいの高さが必要なんだとか。

ところで、なぜ粉末ではなく顆粒状なんでしょう?プレスによる乾式成形は湿式より歪みや縮みが少ないと以前のブログでも載せましたが、微粒体のままだと粒子どうしの摩擦に影響されて成形に欠陥がでるからです。
IMG_8458a.jpg

 乾燥してできあがったタイル原料の出口

このようにしてできあがった顆粒状の原料がタイル工場に運ばれてくるのです。

IMG_8085a.jpg

     加納工場内原料タンク

                     (Muto)

土の話 その1

今日は土の話です。

長い年月をかけて、岩や石が風化し、動植物などの腐敗した養分も併せて堆積して土になります。

土があれば、やきものは全国各地どこにでもあります。美濃から西へ車を走らせてみるだけで、信楽、備前、萩へと、土を採掘した山の地肌が車窓から見られます。

地球上のどこにでもある成分は鉄分で、ほとんどが赤茶色の土の地肌を覗かせていますが、瀬戸、美濃そして有田は、白い山肌が見られます。

美濃山間の鉱山で、採掘あとに雨水が貯まった景色はなんともいえない美しさです。白い土肌にエメラルドグリーンが反射して、宝石のような深い深い美しいグリーンです。

やきものに使う土は、性質から3種類に分かれます。可塑性原料、非可塑性原料、溶媒原料で、これを適量に配合して作ります。

可塑性原料は、形をつくるのに必要な粘性や可塑性がある粘土やカオリンです。乾くと固まり、高温で焼結します。

非可塑性原料は素地の乾燥を早め、収縮を少なくして、ひずみやキレツを防ぐ働きがあります。石英や人工的に焼いた陶器屑を粉にしたシャモット、セルベンがこれにあたります。

また媒溶材原料は、焼成温度を低くする働きがあり、これが溶けて粘土分にとけ込んでゆくことで吸水性の低下、透過性の増加に役立つ。長石、石灰石などです。

 ちなみに、皆さんの家の裏の例えば、田んぼの土でやきものが出来るでしょうか?できないことはないのです。趣味で陶芸をされてる方は、田んぼの土に陶芸材料店で可塑性原料の木節粘土を買ってきて、適当に混ぜて実験してみてください。

余談ですが、田んぼの土には男土=おんど、女土=めんど、があるそうです。粒子が粗く、練りを加えると堅くなるのが、男土。粒子が細かく練ると軟らかくなるのが女土です。できるだけ、深く掘ったところの土で試してみてください。

美濃、瀬戸で産出する土は、可塑性原料の蛙目粘土、木節粘土と溶媒材原料の長石があります。

長石といえば、志野釉の原料です。志野は長石単身の釉薬で生まれました。

長石は同じ東濃地区の瑞浪市釜戸で産出する「釜戸長石」が良質で有名ですが、本来の産地であった釜戸鉱山は既に廃山して産出はありません。資源の枯渇は残念です。今は成分を調整してつくっています。珪酸分の多いのが特長で、黄瀬戸釉などにも向いています。

このほか、花崗岩の半風化物で砂状の砂婆(サバ)も美濃では採れます。

砂婆・・・ゲゲゲの鬼太郎の砂掛け婆みたいな名前ですが、すぐれもので、主に素地用原料として用いています。タイルの成形用にも入っています。木節、砂婆、センベル、長石はタイルの主要な原料です。

また、砂婆を黄瀬戸釉に混ぜると、いわゆる「あぶらげ手」(あぶらげみたいな表面)と呼ばれる茶道で重用されるガサガサっとした高級感のある黄瀬戸になります。

あるとき、市内の山道で「砂婆とるな!」という看板が立っていましたが、それって砂婆のありかが分かってしまうんでは?もしくはよその街から来た人は、砂掛け婆かと思うのか・・・・、いずれにしても奇妙な看板でした。

志野にしろ黄瀬戸にしろ、背景には良質な原料があったからです。このように産出する土の特性から、土地に根付いた伝統的なやきものが誕生しました。

 粘土分、長石、含鉄鉱物、動植物の有機物質を含んだ土が採れる常滑、信楽、備前、益子は粘土だけで成形ができ、焼くと黄色、赤褐色、黒褐色の焼き締まる土の特長をいかした灰かぶりの焼き締めのやきものです。

また陶石の産出が多い、九州の天草、泉山、兵庫県の出石、四国の砥部は磁器物の産地になっています。 それでは、原料からどのような工程を得てタイルになっていくのでしょうか?
IMG_8441a.jpg

写真は地元の丸美陶料さんの原料ストックヤードです。

次回に続きます。  (Muto)